ハッピーバレンタイン アカデミーの門の前。 カカシは愛読書を片手にイルカを待っていた。 『今日…一緒に帰りませんか?』 なんて、可愛いことを言ってくれたイルカに頷いて、ココを待ち合わせ場所に決めた。 ほどなく。 「ごめんなさい!待ちました?」 イルカが駆け寄って来る。かなり急いで来たのだろう。少し息をあげて、頬を上気させている。 「ん、平気。ちょっとさっき来たトコ」 ニコリと微笑んで答えるとイルカは安心したように息をついた。 並んで歩く帰り道。時間さえ合えばこうして一緒に帰っているから、珍しいことでもないのだけれど…今日のイルカはちょっと様子が違う。理由は知っているけれど。 「あの…カカシさん?ちょっと遠回りになるけど、ここ通って帰りません?」 イルカが指差したのは、春には花見客で賑わう公園。まだ寒い今の季節は、人影もなくひっそりとしている。 「いいですよ。今日はお天気もいいですし」 遊歩道を中ほどまで来たあたりで、イルカはそわそわと周囲を見回した。近くに人の気配はない。 鞄の中を探り…取り出したものは。可愛いリボンがかけられた小さな箱。 今日はバレンタイン。好きな人にチョコレートを贈る日。 イルカは男だし…こういうイベントはかなり恥かしい気もして、悩んだのだけれど。意外にロマンチストで記念日にこだわるカカシのことだから、絶対に期待していると思って…意を決して用意したチョコレート。 「こ…これ。俺の気持ちです///」 真っ赤になったイルカの顔と、差し出された包みを交互に見つめたカカシが笑み崩れる。 「ありがと!イルカせんせっ!すごく嬉しいです」 素早く口布を下ろしたカカシがイルカを抱き込みながら頬にキス。 「……!」 もう耳まで真っ赤にしたイルカが可愛いすぎて。 「大好きです。イルカせんせ…」 甘い声で囁きながら…かぷりと耳朶を食む。 ![]() 「カカシさん!食べるならチョコの方に…」 照れまくるイルカが身を捩るのを、しっかりとつかまえて。 「あなたの方が甘いデショ?」 吐息を吹き込むように囁けば…「もうっ…」と小さく呟いたイルカがおとなしくなった。そして… 「俺も…カカシさんが大好きです///」 カカシの耳にしか届かないような小さな小さな声で、可愛い告白をくれた。 蕩けるほどの愛しさに満たされる心。 「ねぇ…?帰ったら、チョコとあなたを食べさせて?」 恥かしくなるようなセリフを臆面もなく吐くカカシを上目遣いで見上げつつも…イルカはコクリと頷いた。 今日は素直に愛を語る日。大好きな人と過ごす、ハッピーバレンタイン。 HAPYPA / 龍真様 のサイトで見つけた。お二人の愛の協同作業(笑) 一目惚れして お二人の許可を取って強奪してきました。 管理人よる 強奪品 第2段です♪ 素敵ですよ。強奪してきて良かった(≧∇≦) |